暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号までサイモン シン
新潮社 刊
発売日 2001-07-31
価格:¥2,730(税込)
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オススメ度:★★★★
?『フェルマーの最終定理』に続き、世界的ベストセラーとなったサイモン・シンの話題作『The Code Book』の邦訳。 暗号は古代から重要な情報を安全に伝達する手段であったが、絶えず解読の危険性をはらんでいた。本書は、暗号とその解読にまつわる歴史上のドラマをひも解きながら、暗号の重要性と進化の歴史について語っている。
???英国女王エリザベス1世暗殺に関する暗号文書が破られ、処刑されたメアリー・スチュワートの事件をはじめ、レオナルド・ディカプリオ主演の映画『仮面の男』(原作はデュマの『鉄仮面』)にも出てくるフランスの鉄仮面に関する文書、埋蔵金のありかが示されているという謎の「ビール暗号」、第1次世界大戦、第2次世界大戦の様相を変えた暗号解読者たちのテクニックなど、読者の知的好奇心をくすぐるトピックが数多く登場する。暗号が我々の歴史にいかに大きな影響を与え続けてきたのかがよくわかる。
???転置式暗号、換字式暗号といった単純な暗号化の方法から、複雑なヴィジュネル暗号、エニグマ暗号、単純だが決して破られることのなかったナヴァホ暗号のほか、ヒエログリフ、線文字Bなど、数多くの難解な古代文字や表記が、暗号解読者たちの血のにじむ解析努力と併せて詳述されている。
???本書では、読者がこれらの暗号を実際に作ったり、解読したりしながら読み進めていくことができるよう工夫されている。パズルや謎解きが好きな読者はもちろん、歴史の裏側をのぞいてみたい読者や考古学ファンにとっても興味深い1冊である。(土井英司)
暗号をめぐる人類の熱き戦いの物語 2006-06-18
結城浩氏の『暗号技術入門』で参考文献として紹介されていたので手にとって見た。『暗号技術入門』は純然たるソフトウェア科学の専門書だったが、本書はそうではなくて、暗号の発展史を描いたジャーナリスティックな読み物である。
たとえば、16世紀、イングランドへの反乱を画策した暗号文書が解読され、スコットランド女王が処刑されたバビントン陰謀事件。
19世紀、アメリカ人トマスビールが隠した莫大な金をめぐるビール暗号騒動。
シャンポリオンのロゼッタストーン解読の物語。
先の大戦で有名な暗号機エニグマの開発と解読の物語。
世紀の大発明といわれる、公開鍵暗号の開発をめぐる物語。
暗号は、高度に知的なパズルであり、また人類の英知を結集した科学技術でもあるが、それは単なるテクノロジーではない。暗号のまわりにはいつも、人々の欲望、希望、好奇心、未来、そういったものが満ち満ちている。本書の面白さはまさにそこにある。
もちろん、科学史としても、資料としても相当な情報量がある。特にエニグマの内部メカニズムについては、これ以上詳しい資料はみあたらない、と翻訳者の青木がコメントしている。また、換字式暗号については、実際に例題を解読してみせるなど、パズルとしての面白さも十分だ。
おりしも映画「ダヴィンチ・コード」がビット中(2006年6月現在)である。暗号はどこか人間の奥底に直接触れてくるようなものなのかもしれない。秘められた暗号の歴史を紐解きつつ、知的好奇心をおおいに満足させてくれる一冊であった。
さらに詳しい情報はコチラ≫この記事は2006/10/29に作成しました。
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